経営効率化推進センター協同組合
活動報告組合概要事業内容受け入れ可能職種お問い合わせ
中国山東省煙台、研修生選抜面接

  2007年12月2日、中国山東省煙台市‘煙台国際経済技術合作有限責任公司’にて、日本企業4社による中国人研修生選抜試験が行われた。

  私は、第一次受け入れ機関(経営効率化推進センター協同組合。以下、組合)の職員として、選抜面接試験に初めて参加した。
  今回の選抜面接試験参加者(企業)の中で、初参加となるのは左官業を学ぶ人材を探しておられる1社と私だけであった。

  最初の試験は‘左官’の実技試験だった。現在高層マンションを建設している現場の建物の壁にモルタルを塗りつける、という内容の試験で、これは研修生を受け入れる企業側からの希望に沿って実施された試験であった。

  氷点下に近い環境の中、10名の研修生候補生たちが試験に挑んだ。

  試験開始直前になって、受け入れ企業の代表から「モルタルを塗る壁を変更して欲しい」との要請があった。後で聞いた話によると「緊急に変更した理由」は、実際の壁を見て、より試験に適した壁が別の場所にあったこと、と、緊急の事態に直面した時、面接試験を斡旋・管理している中国側及び我々第一次受け入れ機関(組合)がどのような対応をしてくれるのかを見たかったからだそうだ。

  左官の実技試験の続いては、別の場所に移り「型枠」の実技試験が行われた。30名の候補生を10名1グループとし、3班に分けて一人一人に木箱を作らせるという内容の実技試験であった。

  実技試験が終了すると、面接試験が行われた。
  5名ずつを部屋に通し、事前に候補生たちに書いておいてもらった仕事に対する意識・将来の夢・趣味などに関するアンケートの内容を日本語訳して伝え、実際に本人が手書きしたアンケート用紙も見てもらい、字の形・レイアウト・文章の量などから書き手の性格のイメージを掴んでもらう。1人につき5・6問程度の質問をし、その受け応え・考え方・表情・仕草・雰囲気などをチェックするという内容であった。

  約2時間で全ての面接が完了した。研修生受け入れ経験のある企業の方々がおしゃっていた通り「企業が研修させたいと思う人材」はほとんどが重複しており、やはり見る人が見れば、結果は自ずと同じになってくるものであるようだ。

  全てがスムーズに運んだように思えたが、思わぬ事件が発生した。
  今回の選抜試験を経て、研修生として選抜されたうちの2名が交通事故にあったのだ。
  しかも、そのうち1名が重体で研修開始に間に合わない、というのだ・・・。

  結果、怪我をした研修予定生の安否を気に掛けながら、急遽代役の研修生を1名選ぶこととなったのだが、受け入れ企業の代表は、今回事故にあった研修予定生に対して
「早く怪我を治して、元気になってください。次の受け入れの際に必ず貴方を採用しますから、と伝えおいて欲しい」
  とおっしゃっていた。

  彼ら研修候補生にとって「日本行き」が決定するということは、大変なことである。
  小さな田舎で育ち、学歴なども決して高くない彼らが、高い競争率を乗り越え掴み取った栄冠なのである。

  事故にあった2人も、合格が決まった夜、友達や親戚一同を挙げての‘祝賀会’が行われ、その席でお酒を沢山飲んだ帰り道で事故に遭ったという・・・。

  今回の研修生選抜面接試験には、試験自体に参加出来ない子が3人いた。
  内2人は風邪、1人は交通事故に遭ったということであった。

  彼らにとっては「夢への第一歩」といっても過言ではないはずの選抜面接試験。
  そんな大一番に限って病気になったり事故に遭ったり、難関を突破して合格を勝ち取った後に事故に遭ったり・・・・。

  初めて参加した‘研修生選抜面接’は私に運’や‘縁’を強く意識させ、深く記憶に残るものとなった。

  受け入れ企業の代表がおっしゃっておられた
「逆に考えれば、新しく代わりに選ばれた子はかなりの強運の持ち主と言えるかもしれない。事故に遭った子は本当に気の毒だけれども、人間の持つ‘運’や‘縁’といったものは、得てしてこういうものなのかも知れない・・・」
  という言葉が印象的であった。

 
 
TOP | お知らせ | 組合概要 | 事業内容 | 活動報告 | 所属団体 | 受入制度案内 | 受入可能職種 | 中国ミニニュース | お問い合わせ | サイトマップ